障がい児の自立支援
障がいがある子のお父さん・お母さんへ
(アニーこども福祉協会理事長:大原 信子)
ちょびっとずつでも確実に
2005年1月31日の「スーパーテレビ情報最前線」という番組で自閉症についての特集をしていました。自閉症の子ども達の家庭に密着したドキュメント番組です。大変な子育てをしている、苦労をしている家族がいるということをテレビで公開してくれたことはとても勇気がいることです。公開してくださったご両親に感謝したいです。
今、アニーでお付き合いしている子ども達と同じ様な場面がいくつか見られました。その中で、子どもの出すメッセージが親や先生に伝わっていない場面がありました。毎日忙しい生活をしていると、子ども達を上手くフォローできず、彼らの要求を満たせていなかったりという事もあります。どうにかして上手く伝わるようにしてあげたいな、という気持ちになりました。
今、アニーで手伝っている子達はだいぶその面が上手になって来ました。親子の関係も良くなって来ています。
子ども達にも落ち着きが見られ、会話が成り立たなかった子も、しっかり話しを聞き、喋れるようになりつつあります。床屋さんで髪を切ることが大変だった子もいましたが、これも克服しつつあります。もちろん、子ども達を抱えるご両親にも相当なストレス、疲れ、焦り、不安が溜まっているかと思います。こういったお母さん達へのフォローも大切です。
完璧に何もかも出来るようにならなくても、毎日少しずつ出来る事が増えていけば素晴らしいです。ときには彼らのメッセージを受け取る事が出来ない事があってもとにかく、やるしかない!毎日、やれる事を精一杯頑張る!そんな頑張るお父さんお母さんを応援したいと思っています。
見守ってあげよう
自分の子どもが障がい児であるお母さんは我が子を心配して、その結果、自分を責めてしまう傾向にあります。
養育センターに行っても色々な答えが返ってきたり、障がいの事を理解してくれない人からは更に追い討ちをかけるように
「お母さんの責任だ!」
「お母さんが変な教育をしたからだ!」
などと言われてしまい、落ち込んでしまうこともあると思います。また、幼稚園、小学校と進んでいくうちに勉強やコミュニケーションなどにおいて遅れてしまうこともあります。そういったことが理解できない先生からは責められ、心身共に傷ついてしまう…なんてことにもなるかも知れません。
ただ子育てをするだけでも大変なのに、障がいを抱えた子を育てる事はとっても難しいと思います。これには家族だけでなく、周りの人たちの理解が必要不可欠になってきます。
「障がい児を抱えるお母さんは大変なんだ。」
「お母さんもたくさん苦労をしているんだろうな。」
と、周りがキチンと理解してくれる事によって、お母さんも子どももぐんぐん成長していく事ができます。どんなに苦しくてもお母さん方は諦めないで頑張って欲しいと思います。そして、周りの方々。どうか温かく見守ってあげてください。まずは理解してあげることから始めましょう。